Web サイトのクライアントサイドに徹底的にこだわる
Web サイトの高速化は、サーバサイドの対処ばかりが実施されることが普通なように思いますが、単純なリクエスト-レスポンスであれば、待ち時間の80%はフロントエンドの処理に費やされているらしい。
ハイパフォーマンスWebサイト ―高速サイトを実現する14のルール
- 作者: Steve Souders,スティーブサウダーズ,武舎広幸,福地太郎,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: 大型本
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よく言われるような「JavaScript は HTML の最後に記述しない」等の基本的なところから、DNS ルックアップの減らし方といったちょっと高度なところまでクライアントサイドに着目して高速化を追及している。
で、上記の続巻が先日翻訳されたんだけど、
続・ハイパフォーマンスWebサイト ―ウェブ高速化のベストプラクティス
- 作者: Steve Souders,武舎広幸,福地太郎,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/04/10
- メディア: 大型本
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大幅に値上がりしており、買うかどうか悩む。非対応ブラウザの関係から、なかなか使いにくい gzip圧縮転送や、サーバープッシュの Comet の解説など、今風の話題が多くて興味は惹かれるんだけど。Comet はサーバ側の課題も多くて、面白い技術だと思っている。
零細システム開発会社における「選択と集中」
- 作者: 大藤幹
- 出版社/メーカー: ソシム
- 発売日: 2009/12
- メディア: 単行本
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池袋のジュンク堂で偶然手に取った本書。再利用性のたかいCSSのデザインやら、コツの様な話かと思ったらそういう事だけでなく、入稿からスケジュール管理まで含めた牧野工房という会社のワークフロー紹介という、一風変わった本。まあ、会社の宣伝ちゃ宣伝かもしれない。
牧野工房という会社では、通常のホームページ制作会社とは異なり、デザインは完成しているという前提で、出来上がったデザインを入稿してもらい、それをHTML+CSS に落とす、という工程に特化している。
このような特化のため、結果的に数をこなせ、社内の共通化、ルール化、ワークフロー化が進み、ますます数をこなせる、という循環が働いている。
絵に描いたようなドラッカーの「選択と集中」の実践であり、同業の参入が予想されると筆者は書いているものの、ブランド化に成功すればライバル不在になりそうな商売である。
余談だけど、私自身はこれと同様のことを零細のソフトウェア開発会社に所属するエンジニアにもたびたび見ている。(まあウチもそうなんだけど)
彼らの中には、数ヶ月以下という、非常に短期のスパンでコーディング、テストのみを10年近い歳月にわたってやり続けたものまでおり、「Eclipse でソース書いてるはずなんだけど、横で見ていて何しているのかわからない」というレベルに達している人が実在する。
彼らは設計書がなかったり、むちゃくちゃだったりしてもうまくそれを客から聞き出して形にする技術も兼ね備えていたりもするのだ。私などは関心させられることしきりなのだけど。
なかなかこういったことを強みとしてブランド化に成功している会社に出会ったことはないし、オフショア化が進む中、海外勢がこの戦略をとった場合、とんでもないレッドオーシャンに叩き込まれる可能性もなくは無いが(笑)、いくらでも差別化の方向性はあるし、ぜひどこかやってくれないかな。