amazonの新サービス「当日お急ぎ便」が非常に貪欲な件

2009-11-04 追記:
結論だけ先に書く。
amazon は、当日の朝 9:30 までは「お急ぎ便」が選択可能。これを選択すると、地域によってはその日のうちに届く。基本的には、前の日の夜に頼むと、次の日に届く、というサービスだ。これは amazon プライムに加入してない場合、350 円の配送料がかかる。

それに加え、「当日お急ぎ便」というのが追加された。これは、朝 9:30 以降、12:00 までの間、「お急ぎ便」のかわりに選択可能になる。この「当日お急ぎ便」を選択すると、配送料は 500 円かかるが、やっぱり一部の地域では当日届く。


以下元々の文章。

まず前提として、amazon には、「通常配送」と「お急ぎ便」 の2種類の配送方法があった。

従来の「お急ぎ便」は当日朝 9:30 までに注文した商品が 当日届くサービス。このサービスの導入以降、「通常配送」が従来よりも時間がかかるようになったとのうわさがブログ等で流れていたが、真偽は定かでないw。

お急ぎ便」は商品価格に関わらず、350円の送料がかかる。これ非常に便利なサービスで、金曜日に注文することで、土曜日の夕方には届くため、土日の読書にちょうどよいのだ。で、amazon プライムというサービスに申し込むと、この「お急ぎ便」が使い放題になる。私は amazon から本だけでも年間 100 冊は買うため、一件当たり 30 円とかそういう値段で「お急ぎ便」が利用できることになってしまう。こりゃいいじゃんと、すぐに申し込んだ。


今回の「当日お急ぎ便」ではさらに当日 12:00 までに注文した商品が当日届くようになったようだ。つまり、従来の「お急ぎ便」より期限が 2.5 時間延びたものが「当日お急ぎ便」ということになる。こちらの、配送料は 500 円に設定されている。配送の効率化によってこの 2.5 時間を稼いだものと思われるが、単にクロネコヤマトの尻を叩いただけかもしれないw

問題は、「お急ぎ便」と「当日お急ぎ便」を選択できないこと。午前中に行う注文は「通常配送」か、「当日お急ぎ便」の2択になるようで、今回の「新サービス」はつまり、午前中の注文に対しての「値上げ」と同じ意味になる。

amazon プライムに入っている場合はこの「当日お急ぎ便」も無料なので、さらに amazon プライムのお得感が増してしまった。「当日お急ぎ便」はこちらのサービスを利用する動機をより強くする側面もあるわけだ。amazon プライムに入ると、「使わないと損!」という気持ちが働くため、囲い込み効果がある。amazon にとってはプライムのユーザが増えることはかなりメリットが大きいだろう。

「配送の効率化」で稼いだ「たったの 2.5 時間」を、従来の「お急ぎ便」のサービス向上として無料で提供することも出来そうだし、うっかりそうしてしまいそうなものである。なのに、あえてそれに絡めて「値上げ」を行い、そして「囲い込み」にまで利用した見事な価格戦略だなあと感心してしまった。まあ私は元から amazon 中毒なんで、気持ちよく囲い込まれていこうと思った。うんうん。